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10月, 2021の投稿を表示しています

最適なレバレッジとはどのくらい?

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 問題意識 ボラティリティのある資産に投資するとレバレッジを上げてもそれに見合ったリターンが得られない 例えばレバレッジファンドとか 期待リターンとボラティリティごとに最適なレバレッジとは? 調査方法 Ed Thorpの論文 "THE KELLY CRITERION IN BLACKJACK SPORTS BETTING, AND THE STOCK MARKET" を参照した。 それによると無リスク金利がゼロの場合 長期投資を行った場合の長期資産成長率 (g) = f * m - (s^2 * f ^2)/2 ここで mは期待リターン sはボラティリティ fはレバレッジ gを最大化するレバレッジ (f*) = m/(s^2) ということなのでこの式に数値をあてはめてシミュレーションを行った。 調査結果 ボラティリティが存在する(s≠0)の場合は特定のレバレッジ(f*)で長期資産成長率(g)が最大になる f*の水準は期待リターン(m)とボラティリティ(s)の関係で決まる 例えばボラティリティ20%、期待リターン2%だと、長期資産成長率を最大化する最適なレバレッジは0.5倍になる レバレッジごとの長期資産成長率は以下の通り、ボラティリティ20%、4パターンの期待リターンを想定してシミュレーションした

レバレッジ2倍ファンドに50%アロケーションして運用効率を高めたいが高まるか?

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 疑問 手元資金効率化のため2倍のレバレッジをかけた金融商品を資産の50%組入れれば投資成果はレバレッジ1倍と同じになるか? S&P500のインデックスファンドに100%投資する場合と、S&P500の2倍の運用成績を目指すレバレッジファンドに50%投資する場合とでパフォーマンスに差は出るか? 調査方法 S&P500の2020年の日次パフォーマンスに基づいて手持ち資産を: S&P500に100%配分した場合と レバレッジ2倍のファンドに50%配分した場合に分けてシミュレーションを実施 ファンドに50%配分した場合については下記2パターンを検討した パターン1:期首に資産の50%をレバレッジ2倍のファンドに投資したものとしてパフォーマンスを算出する パターン2:期首に資産の50%をレバレッジ2倍のファンドに投資、その後も資産の変動に合わせて日々キャッシュ50%、ファンド50%になるようリバランスしてパフォーマンスを算出する 結果 パターン1(リバランス無しのケース)では、S&P500のパフォーマンスに劣後する結果となった。 パターン2(日々アセットアロケーションをファンド50%、キャッシュ50%となるようリバランス)では、パフォーマンスはS&P500に一致した。 投資戦略への示唆 資金効率化のためにレバレッジファンドを活用しても、原資産(S&P500)のパフォーマンスを正確に反映するには日々リバランスが必要。 レバレッジ2倍ファンドの純資産がレバレッジ1倍ファンドより大きい時、変動幅はレバレッジ1倍ファンドの2倍以上になり、逆の場合は変動幅が2倍以下になる =>パフォーマンスは期待通り50%×2倍=100%とはならない 設計上レバレッジファンドは変動率=2倍だが日々先物ポジションを純資産の残高に応じて組みなおすためリスクイクスポージャーが常に2倍になるとは限らず「変動幅」は2倍にならない 現実の運用ではレバレッジファンドでより多く発生する経費、リバランス時の売買手数料も問題になる。 結論 レバレッジファンドを使った運用効率化はかなり大変

レバレッジは投資にとって悪か?~レバレッジ2倍ファンドと信用取引2倍の成果をシミュレーション

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 疑問 レバレッジを2倍のファンドのパフォーマンスが2倍にならないのはなぜ? 信用取引でポジションを2倍にした場合はどうか? 先物で2倍のポジションを作る v. 信用取引で2倍の株数を買うことの違いとは? 調査方法 仮想の指数の値動きP={p0, p1, p2, p3, p4...pi}を設定 10,000円を用意して ①レバレッジ1倍(=現物投資) ②レバレッジ2倍 ③信用取引で現物の2倍の株数投資 それぞれの純資産推移をいくつかのパターンに分けてシミュレーションする。 調査結果 1. レンジ相場の場合その1 P={10, 11, 10, 11, 10 ,11}     2. レンジ相場の場合その2 P={10, 9, 10, 9, 10 ,9}     3. 一貫して上昇の場合 P={10, 11, 12, 13, 14, 15}     4. 上下しながら上昇の場合 P={10, 11, 10, 11, 12, 13}     5. 一貫して下落の場合 P={10, 9, 8, 7, 6, 5}     6. 上下しながら下落の場合 P={10, 11, 10, 9, 10, 8}     読みとれる傾向 レンジ相場(シミュレーション1、2)の場合は「レバレッジ2倍」のパフォーマンスが、「信用取引(2倍)」に常に劣後した。方向性のない相場ではレバレッジファンドのパフォーマンスが悪化する。 一貫して上昇(シミュレーション3)および一貫して下落(シミュレーション5)では、「レバレッジ2倍」のパフォーマンスが「信用取引2倍」を常に上回った。 レバレッジファンドだからと言って常にパフォーマンスが同じ倍率の信用取引に負けるわけではない。 現物取引の資産よりもレバレッジファンドの純資産が大きい時、レバレッジファンドのパフォーマンスは信用取引(2倍)よりも増幅され、小さい時は減衰される。 ポイント レバレッジ2倍ファンドのパフォーマンスが2倍の信用取引のパフォーマンスとズレる理由は 信用取引(2倍)が負担するリスクは現物取引(=レバレッジ1倍)投資額の2倍なのに対して、レバレッジ2倍ファンドの負担するリスクは自身の純資産の2倍になる その結果信用取...