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株価を真剣に見ていればTOBは予想できる

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  TOBと株価の調査 の続き。 TOB対象になった255銘柄の日次の株価変動率から日々の動きの平均をとってみたところ結果は下図のとおり。 TOB公表日とその後に大きく上昇するのは当然なのでよい。 その一方で、公表3日前までの平均がおおよそプラスマイナスとも1%未満に収まっているのに対して、2日前と1日前の平均が飛び出ている点が気になる。 株価を熱心にモニタリングしていればTOBが予想できるということでしょう。

TOBの対象になると株価はどのくらい上がるのか?

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 問題意識 TOBの対象になると株価はどのくらい上がるのか? 調査方法 EDINETに提出のあった公開買付届出書からTOB対象銘柄と公表の日付を取得する。 対象銘柄のうち非上場企業を除く。 残った銘柄についてTOB公表前後の株価を取得する。 調査結果 上記手続きで入手した公開買付届出書は2017年2月28日から2022年3月23日の間に提出のあった計256件。 うち1件はTokyo Pro Market上場で株価情報が取得できなかったので除外した。 残り255件を対象に株価を取得し、市場全体の影響による値動きを除くため対TOPIXでの相対株価を用意した。 なお複数回TOBの対象となった銘柄があるため255銘柄は延べ数である。 TOB公表の前営業日の値を100として、対象255銘柄について、公表80営業日前から公表20営業日後までの相対株価を用意した。 当該相対株価についてクロスセクションで平均して時系列での推移を出した。 結果は下図のとおり TOB対象の対TOPIX相対株価は、平均でTOB公表当日に約13%上昇し、公表から3日目までに公表前日と比べて25%程度上昇している。 TOBは取引時間後だけでなく取引時間中にも公表されるため、 公表日に株価が上昇するのは不思議ではない。 ただし平均的に公表の15営業日(3週間程度)前からじりじり値を上げている点は興味深いところ。 このチャートでは80営業日前からの相対株価の推移を記載しているが、一瞥して明らかなようにほとんど動きがない。 事前情報を入手した者が買い集めていることが疑われる一方で、株価に大幅な変動があった場合にはTOBが中止になる、つまり公表されないため結果として値動きが落ち着いている銘柄が対象になりやすいことも要因として考えられる。

ボラティリティの期待値は最近のボラティリティでいいみたい

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 疑問 よく一定のボラティリティを前提に投資を検討するけれど、過去のボラティリティは今後のボラティリティに対してなんらかの情報を持っているのだろうか。 調査方法 S&P500採用銘柄のうち2017年から2021年の株価がとれるものについて日次の変化率をとる。 日次の変化率をもとに各年のボラティリティ(年率)を計算する。 t年のボラティリティとt+1年のボラティリティを比較し関係を見る。 調査結果 2017年から2021年までのボラティリティの組み合わせを1年ごとにプロットした結果は下図のとおり。 2017年と2018年、2018年と2019年はある程度相関関係がみられる 2020年については世界的に予想外のイベントが発生したことで前年の実績ボラティリティが役に立たなかった。 しかし2020年と2021年については再び相関関係がみられる。 unknown-unknown(という言い方はある?あるいはナイトの不確実性というべきか)があると実績ボラティリティでの将来予測はむつかしそうだが、known-unknownだけしかない環境では =>最近のボラティリティ≒将来のボラティリティと考えるのがよさそう。 問題となるunknown-unknownについてはその定義上発生の予測は不可能。 2017年から2021年まで5年すべてについての相関係数は下表のとおり。 2020年を除けば前年のボラティリティと翌年のボラティリティは相関関係があると言えそう 2020年がかく乱要因になっているが年の間隔があくほど相関係数が下がることが想定される。 ボラティリティは最近のことはよく覚えている。

期待リターンを推定するには算術平均がよい話

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 疑問 MSCIなどの指数のパフォーマンスは幾何平均で計算されているということ。 投資のリスクリターンを考えるときに今後期待される収益率を(根拠があやふやにせよ)設定する必要がある 過去のリターンと同じ傾向が今後も続くとした場合、期待リターンとして過去のリターンの算術平均を使うべきか幾何平均を使うべきか 調査方法 株価の動きの「真の」リターンはわからないので「真の」リターンがわかっているものを使ってシミュレーションする。 ここでは1から6までの目のあるサイコロを使う。 どの目が出る確率も6分の1なので出てくる目の数字の理論上の期待値は3.5。 調査結果 サイコロ投げを1万回実施したところ出た目の 算術平均は3.485 幾何平均は2.980 となった なので将来発生することの期待値を予測するには算術平均をつかうといい。 企業年金連合会によると「 算術平均は、これからの投資のパフォーマンスを考えるときに優っている点がある 」とのこと。 とはいえ1万回程度では期待していた3.5から少しずれがある