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レバレッジファンドを両方買ったら/売ったらどうなる?

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 疑問 東証には2倍ブルとか2倍ベアとか指数にレバレッジをかけたETFがある。 よく レバレッジ型ファンドは減価する といわれるが、設定趣旨上は正反対に動くダブルブルとかダブルベアとかを同時にポジション取ったらどうなるのか? 減価しているということなので、その分売り立てで利益が得られるのではないか?調べてみた。 調査方法 とりあえず目についたETFとして大和の 日経平均レバレッジ(1365) と 日経平均ダブルインバース(1366) の値動きでシミュレーションする。 どちらも日経平均を対象に×2、×マイナス2の運用成果を目指しているとのこと。 1365と1366それぞれについて日々の騰落率を計算する。 買い持ち(ロング)ポートフォリオとして1365、1366それぞれに50%ずつアロケーションしたとしてNAVを計算する。 売り建て(ショート)ポートフォリオとして1365、1366それぞれにマイナス50%ずつアロケーションしたとしてNAVを計算する。 ロングショートどちらのポートフォリオも日々リバランスして1365、1366どちらも同じ金額になるように調整する。 調査結果 調査対象とした1365と1366の設定(2014年12月30日)来の価格推移は下のとおり 1365チャート(ヤフーファイナンスから) 1366チャート(ヤフーファイナンスから) ロングとショートの仮想ポートフォリオのNAV推移は下のとおり 想定された通りロングポートフォリオは2014年末からの7年余りで着実にNAVが下がっている。 ショートのポートフォリオは着実にNAVを増やしており、7年余りで15%程度のリターン。 特筆すべきは変動の小ささで、ショートポートフォリオの場合は年率リターン2%に対して標準偏差が1.4%ときわめて安定的にNAVを増やしている。 シミュレーションでは手数料や貸株料の存在などを無視しており、都合の良すぎる結果な気もするが、レバレッジを上げればさらにリターンが高まるのでどなたか試してはいかがだろうか。

今年夏の京都は数年ぶりの人混みが予想されるでしょう

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 問題意識 来月から外国人観光客受け入れ再開 ということなので都道府県別データからいろいろ調べてみた。 観光客データとしては 観光庁が提供している統計 から、コロナの影響のない2019年の数字を使用した。 都道府県別人口データとしては 総務省提供の統計 から2020年の数字を使用した。 調査結果 人口と宿泊者数 全体として人口が多い都道府県は宿泊者(訪問者)も多いが地域によって傾向はばらついている。 散布図の左上は人口比で宿泊者が多い都道府県になる。やはり沖縄、京都、北海道が集客力が強い。 右下は逆に人口比で宿泊者が少ない都道府県で、他県や他国からみて魅力の低い都道府県になる。巷間取りざたされるよう埼玉、茨城の不人気が目立つ。 東京は人口も多ければ宿泊者も多い。 人口当たりの宿泊者数と外国人比率 次に人口当たりの宿泊者数を見てみた。 想像されるとおり沖縄と京都が強く、沖縄にいたっては住民一人につき20人以上が宿泊している。 沖縄と京都は海外からの訪問も多く、宿泊者のうちそれぞれ4分の1、3分の1程度が海外からきている。 ここでも埼玉の不人気ぶりが圧倒的で、人口一人当たりの宿泊者が1人を割っているのは唯一埼玉のみ。 外国人宿泊者の少なさでは埼玉と茨城が際立っている。あとは山口県も結構な少なさ。獺祭とか海外で有名と聞いたのだけど。 山梨、長野、石川が北海道よりも上位に来ているのが意外なところ。 山梨は外国人宿泊客も多く富士山の効果だろうか。富士山を分け合う静岡とはかなり差がある。分母の人口の違いのせいか。 人口当たりの宿泊者数と目的 宿泊者の目的別に人口当たりの数字を見た。 沖縄、京都、山梨、長野はじめ上位県は観光目的の宿泊が過半を占めている。 福島が人口当たりの宿泊者で上位に来ているがここは観光よりもビジネス目的での訪問が多い。 東京、宮城、福岡のビジネス客の多さは想像できるところ。 やはり埼玉は観光目的の少なさが際立っている。 宿泊目的と国籍によるマトリックス 最後に、これまでに見た宿泊者の目的、国籍、サイズを一つのグラフにまとめた。 日本における外国人観光客の目的地といえば圧倒的に京都ということがよくわかる。 これから夏に向けて京都は例年以上の熱さとなるでしょう。

ボラティリティは標準偏差ではない

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 問題意識 日経新聞でよくボラティリティが上がったとか下がったとか言っているがボラティリティ=標準偏差というわけではないらしい。 そこで、日経新聞の市況面にHV(ヒストリカルボラティリティ)が出ているのでどのように算出されているか調べた。 例えば2022年5月23日のHVは以下のとおり21.8。 調査方法 統計学のテキストに出ている 標準偏差の計算方法 は以下 次に、 ボラティリティの計算方法 は以下。 単位をパーセント表示から変更したり、年率換算したりという違いはあるが最も本質的な差は平均を引くか引かないかというところ。 これらをもとに日経平均の標準偏差とボラティリティを計算してみた。 調査結果 いろいろ見たところ日経新聞のHVは過去20取引の値動きを対象にしており年率換算は250日で行っているということなのでそれに基づいて計算したところ下記の結果になった。 大体のところで同じような水準になるが2021年の9月などリターンの平均が大きくなるとズレる。 日経新聞のHVは標準偏差かボラティティのどちらを使っているのか調べるために過去2週間のHVとそれぞれの計算結果を比較してみた。 四捨五入されているので標準偏差=ボラティリティ=HVになることが多いが、標準偏差とボラティリティにずれのある5月10~12日、19日はいずれもHVはボラティリティの値と一致した。 日経新聞のHVの計算は、標準偏差ではなく平均を引かない「ボラティリティ」を使っているようだ。

過去5年くらいでTOB公表・報道前に株価が動いた銘柄一覧

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  2017年2月28日から2022年3月23日の間にEdinetで公表された公開買付届出書について、TOB対象銘柄全体の 届出書提出前後の株価推移を調べたが 、対象となったのべ255銘柄について個々の銘柄の値動きを見てみた。 より具体的には、Edinetに加えて適時開示についても確認してTOB情報が公表または報道される前に株価が動いた銘柄を選んだ。 主にチャートを見た主観で公表前に大きく上昇した銘柄を選別したので、10銘柄を下記に列挙する。 1.3956 国際チャート 2.9133 東栄リーファーライン 3.7448 ホロン 4.6719 富士通コンポーネント 5.1868 三井ホーム 6.8840 大京 7.7891 日本ユピカ 8.8729 ソニーフィナンシャルホールディングス 9.6938 双信電機 10.7587 パルテック

株価を真剣に見ていればTOBは予想できる

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  TOBと株価の調査 の続き。 TOB対象になった255銘柄の日次の株価変動率から日々の動きの平均をとってみたところ結果は下図のとおり。 TOB公表日とその後に大きく上昇するのは当然なのでよい。 その一方で、公表3日前までの平均がおおよそプラスマイナスとも1%未満に収まっているのに対して、2日前と1日前の平均が飛び出ている点が気になる。 株価を熱心にモニタリングしていればTOBが予想できるということでしょう。

TOBの対象になると株価はどのくらい上がるのか?

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 問題意識 TOBの対象になると株価はどのくらい上がるのか? 調査方法 EDINETに提出のあった公開買付届出書からTOB対象銘柄と公表の日付を取得する。 対象銘柄のうち非上場企業を除く。 残った銘柄についてTOB公表前後の株価を取得する。 調査結果 上記手続きで入手した公開買付届出書は2017年2月28日から2022年3月23日の間に提出のあった計256件。 うち1件はTokyo Pro Market上場で株価情報が取得できなかったので除外した。 残り255件を対象に株価を取得し、市場全体の影響による値動きを除くため対TOPIXでの相対株価を用意した。 なお複数回TOBの対象となった銘柄があるため255銘柄は延べ数である。 TOB公表の前営業日の値を100として、対象255銘柄について、公表80営業日前から公表20営業日後までの相対株価を用意した。 当該相対株価についてクロスセクションで平均して時系列での推移を出した。 結果は下図のとおり TOB対象の対TOPIX相対株価は、平均でTOB公表当日に約13%上昇し、公表から3日目までに公表前日と比べて25%程度上昇している。 TOBは取引時間後だけでなく取引時間中にも公表されるため、 公表日に株価が上昇するのは不思議ではない。 ただし平均的に公表の15営業日(3週間程度)前からじりじり値を上げている点は興味深いところ。 このチャートでは80営業日前からの相対株価の推移を記載しているが、一瞥して明らかなようにほとんど動きがない。 事前情報を入手した者が買い集めていることが疑われる一方で、株価に大幅な変動があった場合にはTOBが中止になる、つまり公表されないため結果として値動きが落ち着いている銘柄が対象になりやすいことも要因として考えられる。

ボラティリティの期待値は最近のボラティリティでいいみたい

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 疑問 よく一定のボラティリティを前提に投資を検討するけれど、過去のボラティリティは今後のボラティリティに対してなんらかの情報を持っているのだろうか。 調査方法 S&P500採用銘柄のうち2017年から2021年の株価がとれるものについて日次の変化率をとる。 日次の変化率をもとに各年のボラティリティ(年率)を計算する。 t年のボラティリティとt+1年のボラティリティを比較し関係を見る。 調査結果 2017年から2021年までのボラティリティの組み合わせを1年ごとにプロットした結果は下図のとおり。 2017年と2018年、2018年と2019年はある程度相関関係がみられる 2020年については世界的に予想外のイベントが発生したことで前年の実績ボラティリティが役に立たなかった。 しかし2020年と2021年については再び相関関係がみられる。 unknown-unknown(という言い方はある?あるいはナイトの不確実性というべきか)があると実績ボラティリティでの将来予測はむつかしそうだが、known-unknownだけしかない環境では =>最近のボラティリティ≒将来のボラティリティと考えるのがよさそう。 問題となるunknown-unknownについてはその定義上発生の予測は不可能。 2017年から2021年まで5年すべてについての相関係数は下表のとおり。 2020年を除けば前年のボラティリティと翌年のボラティリティは相関関係があると言えそう 2020年がかく乱要因になっているが年の間隔があくほど相関係数が下がることが想定される。 ボラティリティは最近のことはよく覚えている。