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最近の日経平均の動きは2018年5月末からの動きとよく似ている

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 2022年1月26日までの日経平均の値動きを過去のパターンと比べたところ、2018年5月31日以降の値動きとよく似ていることが分かった(下図) 黒線が直近の25営業日の値動き 緑の点線が2018年5月31日以降の値動きで50営業日分をプロットした。 以上

楽曲の権利を売ったというけど何を売っているの?

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 (問題意識) 昨年ころから伝説のミュージシャンが楽曲の権利を売ったという報道が続いている ボブ・ディラン、史上屈指の取引額で全楽曲をユニバーサルに売却 2020年12月14日 楽曲の権利を全売却 570億円か ブルース・スプリングスティーンさん 2021年12月18日 デビッド・ボウイさん全楽曲の権利を売却 2022年1月5日 具体的に楽曲の何を売ったのか? (著作権の構造) 個々の事例を確認する前に音楽著作権の外観を把握したいところ。 音楽に関する著作権は大きくわけると 作家(作詞家・作曲家等)の権利 著作物を伝達する人(アーティスト、レコード会社等)の権利 の二つに分けられる 小項目も含めた内容を下表に簡単にまとめた 上表は日本の著作権法に基づいているが海外でも大きな考え方は同様の様である。 主に売買の対象となっているのはこれらのうち「狭義の著作権」(出版権)と「レコード製作者の権利」(原盤権)。 (調査の方法) 各種報道等から「楽曲を売却」したアーティストの情報を収集し、譲渡対象を確認した。 (調査結果) 「楽曲の権利」を売却した主なアーティストは下表のとおり。 譲渡の対象となっているのは主に「出版権」で、「原盤権」を譲渡している例は少なめ。 Bruce SpringsteenやMotley Crue、Barry Manilowなどが原盤権を譲渡している例。 多くのアーティストは元々原盤権を持っていないのかもしれない(レコード会社が持っている?) 譲受人としてたびたび出てくる Hipgnosis Songs Fund はLondon Stock Exchange上場の音楽投資会社。データ配信の普及で音楽著作権への投資が流行っているとのこと。 以上

VIXの内訳(変動要因分解)

 問題意識 VIX指数はS&P500の オプションの値段を加重平均していろいろ やって算出しているという。 VIX指数が例えば30の時そのどのくらいがプットの寄与でどのくらいがコールの寄与なのか知りたい。 調査方法 CBOEのサイト から個々のS&P500オプションの値段を取得する。 CBOEの計算方法に基づきVIX指数を算出する。 その際に行使価格の幅と水準を使ってオプション価格を加重平均して使っているので、そのうちコールの部分合計、プットの部分合計、その他の部分に分けて合計1になるようにウェイト付けする。 VIX指数に同ウェイトをかけてコール部分、プット部分、その他部分の寄与を計算する。 調査結果 2021年12月3日午後16時15分頃のVIX水準は30.67(だいたいの時間なので当日のVIX終値とは微妙に差がある) そのうちコールによる部分は5.4ポイント(18%) プットによる部分は25.0ポイント(82%) その他の部分は0.2ポイント(1%) 感想 VIX指数全体のうちプット部分による寄与が非対称に大きい。 時系列で調べていないがVIXの変動はプットの価格の動きで決まるのではないか。

ボラティリティが上がるとVIXは上昇するのか?

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 疑問 1993年に計算が始まったときVIXはインプライドボラティリティ(IV)を加重平均して計算していたが2003年からオプション価格を参照して計算されるようになった という 。 計算方法が変わったがVIXはインプライドボラティリティと同じ動きをするのか? 調査方法 前回の投稿 と同じように、2021年11月の株価、金利等のデータを使用。 いくつかのIVをブラックショールズモデルに投入してオプション価格を行使価格別に計算 得られたオプション価格群をCBOEのVIX計算式に入れてVIXを計算する IVの動きとVIXの動きを比較する 調査結果 以下のチャートのとおり VIXはインプライドボラティリティと同じ数字をとる 計算方法が変わっても同じ結果が出る

金利が上がるとVIXは上昇するのか?

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 問題意識 VIX指数は「 将来の相場に対する投資家心理を反映する 」と言われる。 金利が上昇するとVIXは上るのか下がるのかそれとも関係ないのか。 調査方法 CBOEが 公表しているVIXの計算方法 を使って、他の条件を一定にしていくつかの金利水準におけるVIXの値を試算した。 オプションの価格にも金利が入ってくるのでブラックショールズモデルでオプションの計算も実施した。 2021年 11月11日の下記の指標を計算の前提にした。 S&P500:4646.71 配当利回り:4.25% Implied Volatility:18.73% VIXが満期まで30日のオプションを仮定して計算しているのでオプション価格の計算は残存日数30日として計算した。 調査結果 シミュレーション結果は下グラフのとおり 金利を0%から10%の範囲で動かしてもVIXの動きはほぼない。 考察 金利の上昇それ自体で VIXはほとんど動かない。 金利の上昇が投資家の予想するボラティリティ(Implied Volatility)を動かす、あるいは金利上昇の原因がIVを動かすのであればVIXも動く。 

長期投資で税金は毎年納めるのと最後に納めるのどちらがいいか?

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 問題意識 株に投資しているとする まったく同じ銘柄に投資しているものとして: 1.毎年年末に利益を確定して納税するのと 2.何年も放っておいて最後に売って一度だけ納税する どちらが得か? 調査方法 毎年10%値上がりする株に10年間投資したと仮定してシミュレーションを行った 一方は毎年利益確定して税金を払い、他方は10年後に値上がりした分について1度だけ税金を払う 税率は20% 調査結果 シミュレーションの結果毎年税金を払うパターンでは資産は当初の2.16倍になった 10年後に初めて利益を確定して税金を払うパターンでは資産は当初の2.27倍になった 以下参考グラフ 感想 資産増加率を幾何平均で年率に直すと毎年納税は8%、最後に納税は8.57%と少なからぬ差がついた 値上がり率10%マイナス税金20%で、成長率は8%となるかと思ったが最後に納税ではこれを上回った。 ちなみに30年でシミュレーションを行うと、最後に納税パターンの年率資産増加率はより大きくなる。 税金で持っていかれる利益の20%部分に発生する複利効果の影響は大きい。 配当は強制的に税金がとられるので複利効果を得られずよくない(上がる株の場合)。 以上

日本のオッズとアメリカのOdds

 日本とアメリカでは「オッズ」の定義が違うようなので調べた。 日米の競馬運営組織による説明 JRAによると オッズとは =>勝馬投票券が的中した場合の概算払戻率のこと。中央競馬ではトータリゼータシステムのコンピューターに直結して、100円に対する倍率で掲示されている。5.0倍の馬券を100円購入し的中すると払戻金は500円となる。 Kentucky Derbyの運営組織によると Oddsとは =>各出走馬にどれだけのお金がかけられたかによって決まる。オッズが8-1の場合、掛け金の8倍のリターンに加え、賭けた金額が帰ってくる。例えば8-1のオッズの馬に25ドル賭けて勝った場合、25×8=200ドルに加えて元の掛金25ドルの合計225ドルが払い戻される。 Wikipediaによる 「統計学におけるOdds」の説明 ある事象が発生する確率と発生しない確率の比率 例えば、無作為に選んだ日付が週末である「Odds」は2:5 補足 Kentucky Debryの「Odds」(以下「Odds(KY)」という)は、競馬場の取り分がなければ、ある馬の勝率÷他の馬の勝率の逆数、つまりWikipediaの「統計学におけるOdds」の逆数になる Odds(KY)が1-1のときEven oddsというが、これはJRAによるオッズ(以下「オッズ(日本)」という)では2倍 Odds(KY)の表記形式はFractional OddsまたはBritish/UK Oddsと呼ばれる。 オッズ(日本)の表記形式はDecimal Odds, European Odds, あるいはContinental Oddsとも呼ばれる。 論文などで使われるOddsはWikipediaの「統計学におけるOdds」のようだが個別に注意が必要。