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ETFで1年以内に億り人になろう

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(※100倍達成確率の計算に誤りがあったので12月20日修正。表は差し替え、他は見え消しで対応)  (疑問) 「 1年で億り人になる 」という本がある。 中身は読んでないが目次を見た感じ借金して不動産に投資するといいという話の様子。 不動産はいろいろ手間がかかるので、借金して(レバレッジをかけて)ETFに投資して1年で1億円に増やす方法を考えてみたい。 かといって元手が少しはないと始まらないので100万円手元にあるとしよう。 どのETFをどのくらいのレバレッジで投資したらどれだけの確率で100万円が1億円(100倍)になるか。 (調査方法) 東証上場のETFについて過去3年の値動きを調べる。 過去の日次対数リターンとリスク(標準偏差)から最適レバレッジを見つける。 対数リターンが正規分布に従うという前提で、最適レバレッジで投資したときに1年後(252営業日後)に資産が100倍になる確率を計算する。 金利はゼロ%として計算。 空売り(最適レバレッジマイナス)になるETFは除外。 (調査結果) 東証に上場している ETF309本 のうち3年のデータが取れた277本について調査したところ、1年で1億円を達成できる確率の高いETFと最適レバレッジの組合せ上位は下表のとおり。 リターンが高くリスクが低い(=シャープレシオが高い)ETFのレバレッジをできるだけ上げるのが1億円達成の近道なので、もともとのリターンが高いだけでなく、相対的に低リスクのETFが上位になっている。 過去3年の価格変動に基づけば、最も1億円達成の確率が高いのは野村アセットの1489「 NEXT FUNDS日経平均高配当株50指数連動型上場投信 」で、10.5倍のレバレッジをかければ 14% 2.8%の確率で1年後に100倍になる。 成長株や米株ETFではなく高配当が1位になったのは意外。現物のパフォーマンスはそれほどでもないが相対的な低リスクが貢献している。3位の2849「 グローバルX Morningstar 高配当ESG-日本株式ETF 」も同じ背景。 2番目に億り人達成の確率が高いのは日興アセットの2239「 上場インデックスファンドS&P500先物レバレッジ2倍 」で、アメリカ株にフルベットするのが資産を増やす近道という直感に近い結果になった。 とはいうものの億り人達成確率上位10位のうち...

お金配りおじさんは経済成長を促進するという根拠

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 (疑問) 事業をして得た利益を資産家が「自分一人でため込む」のと「人々に広く分配する」のはどちらが社会全体にとって良いのか? 金持ちが貧乏な人に富を分け与えることに経済的な意義はあるか。 お金配りおじさんの是非。 (調査方法) 国民の唯一の経済活動が公正なコイン投げ(表と裏の出る確率はどちらも50%)という国を想定する。 人口は1万人で、スタート時点に一人一人が1万円保有しており、国全体で合計1億円の資産がある。 国民はコイン投げのたびに持っている資産をすべて賭ける。 コイン投げは1年間に500回実施する。 コイン投げで得た儲けについて各人が「一人でため込む」場合と、「毎回人々に分配する」場合の2通りの分配方法を考える。 表が出た時の配当率が元本の50%、裏が出た時は元本のマイナス50%、つまりコイン投げの期待値が0%の公正な賭けのほか、表が出た時の配当が60%、90%、100%、110%の計5通りの配当率の組合せを考える。 2つの分配方法と5つの配当率、組み合わせて計10通りについてシミュレーションを行い、1年後の資産の状況を調べる。 「一人でため込む」場合と「毎回人々に分配する」場合の1年後の資産を比較してどちらが良い制度か判断する。 なお、コイン投げの胴元/親/ハウスに関しては外部の存在、どこかよその国として考える。 (調査結果) スタート時1億円だった国民全体の資産は、10通りのシミュレーションを行った結果、1年後(コイントス500回の後)の資産は下グラフのとおりになった。 一番資産を伸ばしたのはリターンの期待値が最も高い、表の時の配当率が110%で、かつ人々に儲けを分配するパターンだが、桁が大きくなりすぎて他との比較ができない。 そこで、シミュレーション結果の資産額を、1コイントス当たりの複利成長率に直した結果が下グラフになる。 表が出た時の配当率が高い、つまりコイントスの期待値が高いほど成長率も高くなるというのは自然な結果。 全てのシミュレーションで、コイントスの都度得た利益を全員に分配する方が成長率が高くなる。 コイントスの都度、儲けを負けた人に分配する場合の社会全体での資産成長率はそれぞれの期待値と一致する。 一方で、儲けを分配しない場合の社会全体での資産成長率は期待値を大きく下回っている。 なお上のグラフでは見づらいが、表が出た時の分配率...

期待リターンの歪度がゼロでないギャンブルのシミュレーション

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 (疑問) リターンの歪度が0のギャンブルを繰り返したとき、ギャンブル後の資産(NAV)の分布は歪度がプラスになる(=儲かるのは一部の人間だけでほとんどが損をする)。 リターンの歪度がマイナスのギャンブルの場合、ギャンブル後の資産(NAV)の分布は歪度マイナスになるのか。 (調査方法) β分布の定数を操作して歪度がゼロ、プラス、マイナスの分布を作成。 得られた分布から無作為に得た確率変数を1回のギャンブルで得られる対数リターンとしてシミュレーション。 100人が1万円を元手に200回連続してギャンブルを行った結果の資産の分布を確認する。 (調査結果) 歪度がマイナスの分布のシミュレーション α:β=90:10の分布、歪度マイナス0.58 意外だが100人が200回続けてギャンブルした結果の分布は右裾が長い=歪度がプラスになる α:β=8:2の分布、歪度マイナス0.73 NAVの分布はより極端に右裾が長くなる 歪度が0の分布のシミュレーション α:β=50:50、歪度マイナス0.03 こちらも200回のギャンブル後のNAVは右裾が長い分布になる α:β=5:5、歪度プラス0.06 歪度がプラスの分布のシミュレーション α:β=10:90、歪度プラス0.55 こちらも200回のギャンブル後のNAVは右裾が長い分布になる α:β=2:8、歪度プラス0.84 まとめ 元の分布が左右どちらに歪んでいても繰り返しギャンブルを行った後の資産の分布は右裾が長くなる。 つまり元の分布の歪度がプラスでもマイナスでも関係なく、繰り返しギャンブルの後の資産の分布は歪度がプラスになる。 ギャンブルを繰り返すと、一部の人が大勝ちする一方でほとんどの人が損をする。 右裾の長さ=歪度の大きさは元の分布のばらつき度合い(標準偏差)により動いている様子。ばらつきが大きいほど、繰り返しギャンブル後の資産分布が偏る。 以上

期待リターンゼロのギャンブルで利益を得る方法

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(疑問) 期待リターンがゼロの公平な賭けの賭けを顧客に提供してもカジノは儲かるというが本当か? (調査方法) 5人の客が1人1万円をもって来店し、保有資金をすべて5分5分の賭け(例えば丁半、赤黒、表裏、奇数偶数)に賭ける 勝った時のリターンは+50%、負けた時のリターンは-50% この賭けを200回実施する としてシミュレーションした。 (調査結果) 4回シミュレーションを行った結果は以下の通り、横軸に賭けの回数、縦軸にカジノの損益を並べている。 途中に変動はあるが4回のシミュレーションすべてで200回の賭けの後のカジノの利益は5万円、つまり5人の客は全員が持っていた1万円をすべて失った。 (疑問その2) 五分五分の賭け=期待値0なのになぜ一方的にカジノが勝つのか? 5人の客の損益が互いに相殺しあってカジノ側の損益の分散を減らし有利に働いているのか? (調査結果その2) そこで改めて1人の客が1万円をもって200回賭けをしたものとしてシミュレーションした。 4回のシミュレーション結果は以下の通り、200回の賭けの後には顧客の資金1万円がすべてカジノの利益になって、5人の場合と似たような結果に。 つまりカジノが儲かる根源的な理由は顧客の損益が打ち消しあっていることではない。 (疑問その3) なぜ1対1の賭けでもカジノ側が有利な方向に収れんするのか? 反対側に賭けたら客の有利な方に収れんするか? (調査結果その3) 客1と、客1の反対に賭ける客2を想定してシミュレーションした。 200回の賭けの客1、客2の資産推移は以下の通り。 客1客2どちらも当初1万円あった資産が0円になり、2万円はカジノへ移転。 つまり表裏、丁半、赤黒を当てれば資金を増やせるわけではなく、ポイントは別のところにある。 (疑問その4) 顧客から見て5分5分の賭けはカジノから見たら5分5分ではないのか? (調査結果)(調査結果その2)でみたとおり、最終的にカジノの利益に収れんするが、200回の賭けの途中で大幅にカジノ側に損失が発生していた時期もあった。 カジノ側が無限の資金力を持っていることが有利に働いているのではないか? (調査結果その4) 資金力の効果を見るため、客側の1回の賭け金を手持ち資金の一定比率に減らすことで資金力の効果をシミュレーション。 結果は以下の通り。 掛け金の比率を減らす(客...

投資詐欺におけるエルゴード性を使った回答の例

 未公開株、合同会社債、医療法人債、仮想通貨、NFT、ワンルームマンション投資など妙に利回りのよいーーほとんどが詐欺のーー投資商品のセールスにおいてたびたび投げかけられる質問 • そんなに儲かる話をなんで他人に紹介する? に対してエルゴード性を使ってもっともらしい回答例を考えたので悪用しないでください。

VIXに関して、implied volatility (VVIX)とrealized volatilityの関係

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 (疑問) S&P500のImplied Volatility(IV=VIX)は平時にはRealized Volatility(RV)よりも高いことが知られており、IV-RVはvolatility risk premiumと呼ばれている。 1990年以降の平均でIVはRVを4.1程度上回っている。 VIXのImplied Volatility(=VVIX)も同様にRealized Volatilityより平均的に高いのか。 (調査方法) VIXとVVIXのデータを取得してVIXの動きから1か月(21取引日)のRealized Volatilityを計算しImplied Volatility(VVIX)と比較した。 (調査結果) VVIXのデータが取れる2007年以降のデータを使って、VVIXの推移と21営業日のRV(21営業日後のHistorical Volatility)を比較したところ、実績データのRV、HVが激しく変動するためよくわからない。 そこでIV(VVIX)-RVをチャートにしたところ平均的にIV<RVになる状況が認められた。 2007年以降の平均でRVがIV(VVIX)を20程度上回っていた。 IV-RVの分布は中心(中央値)がややマイナスで尖っており、左裾が長めになっている S&P500のIV(VIX)とは逆に、VIXのIV(VVIX)の期間構造は右下がりになる(原資産であるVIXオプションの期日が先になるほどIVが低くなる)傾向があるが、IVがRVより小さくなることと関連があるのかもしれない。 以上

ボラティリティの変化とオプションの値段

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 疑問 ボラティリティが増加するとオプションの価値は上がるし、減少すると下がる その上がり方、下がり方はどうなっているのか? オプション価格はボラティリティの変化に対して線形か非線形か? 調査方法 ブラックショールズモデルを前提としてIVをいろいろ動かして視覚的に調査 具体的には 株価20、行使価格17(コールはITM、プットはOTM)の場合と、 株価20、行使価格20(ATM) の2パターンについて金利、残存期間をいじってIVとオプション価格の関係をチャートで確認 調査結果(要約) IVとオプション価格の関係は非線形 IVが一定水準以下までは下に凸の形(convex)、一定水準以上になると上に凸(concave)になる convexとconcaveが切り替わるIVの水準(閾値)は金利と残存期間で変わる 金利が高いと閾値は高くなる=>金利が高いとより高いIV水準でconvexからconcaveに代わる 残存期間が短くなると閾値は高くなる=>残存期間が短いほうが低いIV水準でconvexからconcaveに代わる 株価と行使価格の距離が近くなると閾値は小さくなる=>株価と行使価格の差が小さい方が、低いIV水準でconvexからconcaveに代わる 調査結果(具体例) 株価20、行使価格17(コールITM、プットOTM)の場合 残存期間1か月、金利5%の時、IV200くらいまで下に凸(convex)、それ以上は上に凸(concave) 株価20、行使価格20(ATM)の場合 残存期間1か月、金利5%の時、視覚的にはほぼ直線だがIV30くらいまで下に凸(convex)、それ以上は上に凸(concave) 以上