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期待リターンゼロのギャンブルで利益を得る方法

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(疑問) 期待リターンがゼロの公平な賭けの賭けを顧客に提供してもカジノは儲かるというが本当か? (調査方法) 5人の客が1人1万円をもって来店し、保有資金をすべて5分5分の賭け(例えば丁半、赤黒、表裏、奇数偶数)に賭ける 勝った時のリターンは+50%、負けた時のリターンは-50% この賭けを200回実施する としてシミュレーションした。 (調査結果) 4回シミュレーションを行った結果は以下の通り、横軸に賭けの回数、縦軸にカジノの損益を並べている。 途中に変動はあるが4回のシミュレーションすべてで200回の賭けの後のカジノの利益は5万円、つまり5人の客は全員が持っていた1万円をすべて失った。 (疑問その2) 五分五分の賭け=期待値0なのになぜ一方的にカジノが勝つのか? 5人の客の損益が互いに相殺しあってカジノ側の損益の分散を減らし有利に働いているのか? (調査結果その2) そこで改めて1人の客が1万円をもって200回賭けをしたものとしてシミュレーションした。 4回のシミュレーション結果は以下の通り、200回の賭けの後には顧客の資金1万円がすべてカジノの利益になって、5人の場合と似たような結果に。 つまりカジノが儲かる根源的な理由は顧客の損益が打ち消しあっていることではない。 (疑問その3) なぜ1対1の賭けでもカジノ側が有利な方向に収れんするのか? 反対側に賭けたら客の有利な方に収れんするか? (調査結果その3) 客1と、客1の反対に賭ける客2を想定してシミュレーションした。 200回の賭けの客1、客2の資産推移は以下の通り。 客1客2どちらも当初1万円あった資産が0円になり、2万円はカジノへ移転。 つまり表裏、丁半、赤黒を当てれば資金を増やせるわけではなく、ポイントは別のところにある。 (疑問その4) 顧客から見て5分5分の賭けはカジノから見たら5分5分ではないのか? (調査結果)(調査結果その2)でみたとおり、最終的にカジノの利益に収れんするが、200回の賭けの途中で大幅にカジノ側に損失が発生していた時期もあった。 カジノ側が無限の資金力を持っていることが有利に働いているのではないか? (調査結果その4) 資金力の効果を見るため、客側の1回の賭け金を手持ち資金の一定比率に減らすことで資金力の効果をシミュレーション。 結果は以下の通り。 掛け金の比率を減らす(客...

投資詐欺におけるエルゴード性を使った回答の例

 未公開株、合同会社債、医療法人債、仮想通貨、NFT、ワンルームマンション投資など妙に利回りのよいーーほとんどが詐欺のーー投資商品のセールスにおいてたびたび投げかけられる質問 • そんなに儲かる話をなんで他人に紹介する? に対してエルゴード性を使ってもっともらしい回答例を考えたので悪用しないでください。

VIXに関して、implied volatility (VVIX)とrealized volatilityの関係

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 (疑問) S&P500のImplied Volatility(IV=VIX)は平時にはRealized Volatility(RV)よりも高いことが知られており、IV-RVはvolatility risk premiumと呼ばれている。 1990年以降の平均でIVはRVを4.1程度上回っている。 VIXのImplied Volatility(=VVIX)も同様にRealized Volatilityより平均的に高いのか。 (調査方法) VIXとVVIXのデータを取得してVIXの動きから1か月(21取引日)のRealized Volatilityを計算しImplied Volatility(VVIX)と比較した。 (調査結果) VVIXのデータが取れる2007年以降のデータを使って、VVIXの推移と21営業日のRV(21営業日後のHistorical Volatility)を比較したところ、実績データのRV、HVが激しく変動するためよくわからない。 そこでIV(VVIX)-RVをチャートにしたところ平均的にIV<RVになる状況が認められた。 2007年以降の平均でRVがIV(VVIX)を20程度上回っていた。 IV-RVの分布は中心(中央値)がややマイナスで尖っており、左裾が長めになっている S&P500のIV(VIX)とは逆に、VIXのIV(VVIX)の期間構造は右下がりになる(原資産であるVIXオプションの期日が先になるほどIVが低くなる)傾向があるが、IVがRVより小さくなることと関連があるのかもしれない。 以上

ボラティリティの変化とオプションの値段

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 疑問 ボラティリティが増加するとオプションの価値は上がるし、減少すると下がる その上がり方、下がり方はどうなっているのか? オプション価格はボラティリティの変化に対して線形か非線形か? 調査方法 ブラックショールズモデルを前提としてIVをいろいろ動かして視覚的に調査 具体的には 株価20、行使価格17(コールはITM、プットはOTM)の場合と、 株価20、行使価格20(ATM) の2パターンについて金利、残存期間をいじってIVとオプション価格の関係をチャートで確認 調査結果(要約) IVとオプション価格の関係は非線形 IVが一定水準以下までは下に凸の形(convex)、一定水準以上になると上に凸(concave)になる convexとconcaveが切り替わるIVの水準(閾値)は金利と残存期間で変わる 金利が高いと閾値は高くなる=>金利が高いとより高いIV水準でconvexからconcaveに代わる 残存期間が短くなると閾値は高くなる=>残存期間が短いほうが低いIV水準でconvexからconcaveに代わる 株価と行使価格の距離が近くなると閾値は小さくなる=>株価と行使価格の差が小さい方が、低いIV水準でconvexからconcaveに代わる 調査結果(具体例) 株価20、行使価格17(コールITM、プットOTM)の場合 残存期間1か月、金利5%の時、IV200くらいまで下に凸(convex)、それ以上は上に凸(concave) 株価20、行使価格20(ATM)の場合 残存期間1か月、金利5%の時、視覚的にはほぼ直線だがIV30くらいまで下に凸(convex)、それ以上は上に凸(concave) 以上

全ての銘柄でIVはHVよりも高いといえる?

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 (疑問) S&P500の場合、ほとんどの期間でImplied Volatility (VIX) はHistorical Volatilityよりも高い。 SPXだけではなく他の指数や個別銘柄ではどうなる? 一般にIVはHVよりも高いといえるか? (調査方法) 実際の指数又は株価から過去21営業日(≒1か月)のHistorical Volatilityを計算する。 各対象資産のオプションデータに基づきVIXと同じ計算方法で30日のImplied Volatilityを計算する。 主な指数、株価、ETFについて両者を比較する。 (調査結果) 2023年3月3日のデータでHVとIVを計算した結果のプロットは下図の通り。 一般にIVがHVよりも高いとは言えない。 SPX (S&P500), IBM, USO (原油ETF), SLV (銀ETF), BITO (ビットコインETF), TQQQ (ナスダック100トリプルブル)など調査対象とした20銘柄のうち15銘柄でIVがHVを上回っていた。 他方、VIX, SQQQ (ナスダック100トリプルベア), AMZN (アマゾン), GOOGL (アルファベット)など5銘柄でIVがHVを下回った。 IV>HVの銘柄群とIV<HVの銘柄群の違いはなんだろうか? 下のグラフはIV>HVの銘柄群と、IV<HVの銘柄群についてオプション満期ごとのIVをサンプル銘柄について表示したもの。 IV>HVの銘柄はオプション価格から計算したIVがなんとなくコンタンゴになる傾向 IV<HVの銘柄は逆でなんとなくバックワーデーションになる傾向。 IVの期間構造がIVとHVの大小の背景にありそうだが理由は不明。 以上

満期までの期間が長くなるほどVIXは高くなる?

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 疑問 S&P500のVIX先物は大体の場合 満期までの期間が長くなると高くなる=いわゆるコンタンゴ になることが知られている。 VIX「先物」ではなくて VIXそのものの場合も期間が長いほど水準が高くなる 場合が多いようだ。 個別株や債券、為替などS&P500以外の資産についても同じことが言えるのか? 調査方法 CBOEのサイトでS&P500といった指数のほかにも、 アップルなど個別株 や BND等のETF など様々なオプションのデータが入手できるので、そのデータをもとに VIXの計算方法と同じ方法を使って 、満期ごとのvolatilityを計算する。 計算の対象はダウ平均構成銘柄や主要ETFなどを適当に選んだ。 データはすべて2023年2月13日の値を使用した。 調査結果(まとめ) S&P500のvolatilityはオプションの満期が長くなるほど高くなるコンタンゴの関係がみられるが、それ以外の資産はバラバラ。 volatilityが一般にコンタンゴになるとは言えない。 Nasdaq100やラッセル2000は満期とvolatility水準にはっきりした傾向はみられない。 同様に、債券ETFはどれも満期に関係なく同じような水準。 ブルベアETFとテクノロジー銘柄は満期が長くなるほどvolatilityが低くなるバックワーデーションの関係。 個別株の場合、決算発表が間近に迫るとvolatilityが高くなるパターンはありそう。 調査結果(個別) 下グラフはS&P500(SPX)、ダウ平均(DJX)、ナスダック100(NDX)、ラッセル2000(RUT)それぞれのvolatilityを計算したもの 期近2月満期のオプションから計算されるvolatilityがすべての調査対象で高くなっていたためグラフ表示から除外した。今後のグラフはすべて同様。 期間別のvolatilityの形状を見るとSPXは期間長い=>volatility高いという傾向が明確にあるが、NDX、RUTではあまり明確ではない。DJXは2023年満期では横ばいで2024年分が若干高くなっている傾向。 つぎにSPXと先進国株式(MXEA)、新興国(MXEF)、そしてS&P500ETF(SPY)を比較した。 MXEF、SPYは目先数か月についてはS...

レンジ相場でレバレッジファンドが減価する理由

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 (疑問) レンジ相場でレバレッジファンドが減価するのはなぜか (調査方法) 具体的なシナリオでシミュレーション 当初株価100で90から110の間を変動し最後も100になる株式を想定 -1から2までの異なるレバレッジでの基準価格を計算 (調査結果) シミュレーション結果は下記の通り 株価が行ったり来たりしてもとに戻る場合一番成績がいいのはレバレッジ0.5倍。 レバレッジ-1倍と2倍は株価が元に戻ったが基準価格は0期比でマイナス。 この理由は、株価変動に対応したポジションの調整数量を計算した右端のbuy/sellで示される。 レバレッジ0.5倍の時株価が下がると買い、上がると売りという行動をとる。 レバレッジ-1倍と2倍の時は逆に、下がったら売り、上がったら買いという順張りの行動をとることになる。 つまり株価が上がる直前にポジションを減らし、下がる直前にポジションを増やしている その結果レンジ相場では成績が悪化する。 より広く考えれば、全体株価が下がる(上がる)とレバレッジファンドの売買が下げ(上げ)に拍車をかける